【1月15日 AFP】ドッグショーに出場する犬種の繁殖について痛烈に批判した2008年放映の英BBCのドキュメンタリー番組をきっかけに、繁殖に関する調査を行っていたケンブリッジ大(Cambridge University)教授は14日、「血統書付きの犬の繁殖方法に大幅な変更が求められる」とする報告書を発表した。

 このドキュメンタリー番組は、バーミンガム(Birmingham)で開催された「クラフツ・ドッグショー(Crufts Dog Show)」を取り上げ、出場した一部の犬が長年の近親交配により遺伝的疾患を抱えていると告発。同ショーを運営する英ケンネルクラブ(Kennel Club)は、この番組に苦情を申し立てた。

 報告書は、「多くのブリーダーが犬の福祉に関して高い基準で繁殖を行っている。福祉面での最大の問題は、子犬工場の管理が怠慢だったり純血種の近親交配が行われる場合。犬の体形を著しく変えることも福祉に反している。特異な体形は鼻を平らにすると呼吸障害の原因になるなど健康障害を引き起こす」と述べている。

 ベイトソン教授は、すべての子犬へのマイクロチップの装着の義務化、犬の繁殖に関する独立協議委員会の創設、ブリーダーの認定の厳格化などを推奨している。

 ベイトソン教授による独立調査は、英ケンネルクラブと同国の犬のための福祉慈善団体Dogs Trustの資金を基に、英環境・食料・農村省の支援を得て10か月かけて行われた。(c)AFP

【参考】同番組の日本語版の紹介(NHKオンラインのサイト)