【1月14日 AFP】ニューヨーク(New York)は最高の街だ-西海岸で捨てられたチワワだったら、なおさらそう思うかもしれない。

 カリフォルニア(California)州で捨てられ、保護されたチワワ15匹が13日、晴れてニューヨーカーとなった。

 チワワといえば、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)やハリウッド(Hollywood)のそこそこの有名人たちがハンドバッグに入れて連れて歩いているが、米国動物虐待防止協会(The American Society for the Prevention of Cruelty to AnimalsASPCA)によると、そのハリウッドのある「カリフォルニア州ではチワワが過剰に増えている」。

 ASPCAのダイアン・ウィルカーソン(Diane Wilkerson)氏は、「ホームレス」のチワワが増加したのは、ハリウッドの流行の変化や不況が原因だと指摘する。しかし、ニューヨークでは小型犬の人気は非常に高く、ニューヨークへの引越しは良い方法だろうという。

 この保護プログラムでは、ハリウッド育ちのチワワが慣れた贅沢な「生活水準」も維持された。

■新しいご主人探し

 前週、ヴァージン・アメリカ(Virgin America)のジェット機でサンフランシスコ(San Francisco)からニューヨークへやって来た15匹は、マンハッタン(Manhattan)のぴかぴかのASPCA本部に落ち着いた。

 そのうち11匹は、13日までに新しい飼い主を探し始めた。残りの4匹は多少、健康面に問題があって治療が必要で、今回は主人選びを見送った。

 凍える寒さの中、ASPCA本部前にはチワワを引き取りたいという100人以上のニューヨーカーが並んだ。中には朝の8時から正午まで待った人もいる。

 列に並んだ愛犬家たちは、ペットショップでは700~1400ドル(約6~13万円)で売られているチワワを無料で引き取れるのは大きな魅力だと話した。

■チワワの生態

 しかし、チワワは小さいが、なかなか世話が必要だ。流行を追うだけのカリフォルニア人たちがチワワを捨てたのは、そのせいかもしれない。「チワワはアクセサリーではない。目新しさが消えると、(捨てる飼い主たちは)つまらなくなってしまうのだろう」とウィルカーソン氏は語る。

 また、チワワは気も強い。「チワワは攻撃的で、飼い主を守ろうとする。それに、よくほえます」、と列に並んでいた女性。「彼らはおしゃれも好き。自分がかわいいことを知っている。ドラマの女王様なのよ」

 列を作った人たちは、なぜチワワを飼いたいのか、ASPCAが用意した質問に答える。例えば、子どもと遊ばせたい、キャッチボールをさせたい、番犬にしたい、チワワを飼うことでリラックスしたい、といった答えだ。その後、ASPCAのスタッフが見守る中、飼い主候補はチワワとともに過ごして、最終的な飼い主決定に至る。

 しかし、ニューヨーカーが皆、チワワを好きなわけではない。

「チワワなんか嫌いだ!」、列の近くを通り過ぎたバスの運転手は窓からこう叫んだ。「ピット・ブルを飼いな!」。(c)AFP/Sebastian Smith