【11月8日 AFP】小児がんの脳腫瘍(しゅよう)で死亡した米少女が、病状の悪化でしゃべることさえできなくなっていた生前の最後の日々に、自宅のさまざまな場所にノート片を隠し、妹と両親に向けて「アイラブユー」とメッセージを遺していた。

 余命わずかの6歳のエレナ・デセリッチ(Elena Desserich)ちゃんがノート片にメッセージを書きつづっていた間、エレナちゃんの両親も、エレナちゃんの妹のグレース(Gracie)ちゃんがいずれ姉の身に何が起きたのかを理解できるようにと日記をつけていた。

 それらをまとめた書籍が、10月末に米国で「Notes Left Behind(遺されたノート片)」というタイトルで出版された。書籍の利益は、エレナちゃんの両親が設立した小児がん基金「The Cure Starts Now」に全額寄付されるという。

 エレナちゃんが遺した最初のノート片は、リュックサックから見つかったという。

 その後、本棚に並べられた本のすき間や、たんすの引き出しの奥、戸棚に飾られた食器類の間、箱にしまわれた写真の間などから次々と見つかった。ノート片にはどれも「アイラブユー。ママ、パパ、グレースへ」と書かれていたという。

 父親のキース(Keith Desserich)さんは、地元オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)のテレビ局WLWTに対し、「それからずっと探し続けているけど、今でもまだ新しいノート片が見つかるのです」と語った。これまでに数百枚のノート片が見つかっているという。

 キースさんと妻のブルック(Brooke)さんは、未開封のノート片をそれぞれ1枚ずつしまってあるという。

 キースさんは、「読んでいないノート片が少なくともまだ1枚ある、という様に考えていたいんだ」と語った。(c)AFP

【参考】「Notes Left Behind」のサイト(英語)