【11月3日 AFP】韓国・ソウル(Seoul)市の行政裁判所は1日、市当局が制定したタクシー運転手が運転中にテレビを見る行為を取り締まる条例を違法と判断、市当局がタクシー運転手に命じた60万ウォン(約4万6000円)の罰金の取り消す判決を下した。テレビを見ながらの運転行為は、タクシーではよく見られる光景だという。

 ソウル市当局は前年、運転中にデジタルマルチメディア放送(DMB)機器を操作することを禁じる条例を制定した。だが、行政裁判所は、地方当局が公共交通機関を規制するこの条例について、1961年に制定され、後に別の法律に取って代わられた法律に基づいたものだとして、違法と判断した。

 ソウルのタクシー運転手の一部は、自車のダッシュボードに、テレビ番組なども視聴できるGPS対応カーナビ用のスクリーンを取り付けている。

 韓国が2005年に世界で初めてDMSを開始して以来、2100万セットのDMS機器が販売されている。DMSユーザーも、08年末までに1725万人に急増している。

 警察当局の統計では、前年、モバイル機器を視聴していたことによる交通事故は200件に上り、2人が死亡、351人が負傷した。(c)AFP