【10月26日 AFP】英ロンドン(London)の高級百貨店ハロッズ(Harrods)の経営者のモハメド・アルファイド(Mohamed Al Fayed)氏(80)が、25日の英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)に掲載されたインタビューで、スコットランドにラブコールを送り、英国から独立することになれば自分が初代大統領になる用意もあると述べた。

 これまでかたくなに英国の旅券取得を拒んできたアルファイド氏は、もしもスコットランド独立の是非を問う住民投票が予定どおり行われ、スコットランドが英国からの独立を選び共和国となった場合には、ぜひスコットランドの市民権を与えられることを願っていると語った。

 エジプトの大富豪であるアルファイド氏は、スコットランド高地(Scottish Highland)地方に不動産を所有しているが、「仲間のスコットランド人」たちに「イングランドとそのどうしようもない政治家たちと決別すべきだ」と呼び掛け、「あなたたちスコットランド人は長年、昏睡状態だったようなものだ。スコットランドが独立を再獲得するために必要なことがあればなんでも力を尽くしたい。スコットランドが自由を再び獲得したあかつきには、初代大統領になる用意さえある」と語った。
 
 スコットランド自治政府の与党、スコットランド民族党(Scottish National PartySNP)は、英国からの独立に向けた住民投票実施する方針を打ち出している。

 しかし、アルファイド氏はSNP党首であるアレックス・サモンド(Alex Salmond)自治政府首相については、「わたしはスコットランドのためにはなんでもするが、このアレックス・サモンドだけはいただけない。私から会見を申し込んだのに彼はそれを断った。わたしは支援と助言をしたかったのに、彼はそれを聞きたがらない」と苦言を並べた。

  アルファイド氏はサッカー、イングランド・プレミアリーグのクラブ、フラム(Fulham)のオーナーでもあり、ダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)と一緒に1997年に事故死した交際相手のドディ・アルファイド(Dodi Fayed)氏の父親でもある。

 英王室についてはまったく批判的で、特に息子とダイアナ元妃の死後は、事故はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)と夫フィリップ殿下(Prince Philip)のたくらみによる陰謀だったと主張していることでも知られる。(c)AFP/Prashant Rao