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臓器密売が増加、ヨルダンの失業貧困層狙う臓器ブローカー

  • 2009年10月24日 15:54 発信地:アンマン/ヨルダン
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ヨルダンの首都アンマン(Amman)北西のバカー(Baqaa)にある国内最大のパレスチナ人難民キャンプで買い物をする人々(2009年10月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/KHALIL MAZRAAWI

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【10月24日 AFP】ヨルダン人のアリ(Ali)さん(30)は3児の父。失業して生活に困っていたところ、友達の勧めで片方の腎臓を売ることにした。

 そうすれば家族の生活も楽になり、移植を受ける人の命も助けられると考えたのだ。今年のはじめにエジプトで腎臓を摘出する手術を受け、5000ドル(約46万円)を受け取った。

 しかしアリさんは今、心から悔やんでいる。「自分の腎臓を提供した相手には会えず、どんな人だったのかも分からない。仕事もお金もなく、追い詰められていたために愚かな決断をしてしまった。無知ゆえにひどい誤りをおかした」

 この国では今、多くの貧しい人が生活のため臓器ブローカーに腎臓を売っている。アリさんは、その1人にすぎない。

 失業中で貧窮しているモハメッド(Mohammed)さん(29)も臓器ブローカーに言葉巧みに誘われ、2008年に腎臓を提供した。だが受け取った金額は約束の5000ドルの半分に満たなかった。ブローカーは摘出手術後も普通に暮らせると言っていたが、ひどく疲れるようになり、妻や子どもと話をするのもつらいという。

 しかし、警察がモハメッドさんのような腎臓提供者を捜していると聞き、医者に診てもらうこともできないでいる。ヨルダンでは臓器売買は違法で、最高で5年の禁固刑と2万8000ドル(約260万円)の罰金が科せられる。

■貧困層を狙う臓器ブローカー

 政府の公式統計データによると、人口600万人近くのヨルダンの失業率は14.3%に上るとされている。だが民間の統計データによると、実際の失業率はその2倍以上の30%だという。臓器ブローカーはこうした失業・貧困層をえじきにしているのだ。

 最近、政府が実施した腎臓の売買事例130件に関する調査によると、提供者の80%近くが、首都アンマン(Amman)北西のバカー(Baqaa)出身のパレスチナ人だという。同地には国内最大のパレスチナ人難民キャンプがある。大半が極端な貧困にあえぐ31歳以下の若者だった。

 かつて摘出手術はイラクで行われることが多かったが、米軍などが2003年に進攻してからはエジプト、インド、パキスタンで行われるようになったという。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、臓器密売は増加傾向にある。臓器提供者は教育を受けていない貧困層であることが多い。臓器提供者が受け取る金額の相場は5000ドルだが、1000ドル(約9万円)の場合さえあるという。臓器ブローカーは富裕層の患者を相手に、10万~20万ドル(約920万~1840万円)という高価格でこの臓器を売りさばく。

 全世界で実施されている腎臓移植手術のうち、5~10%が臓器密売による腎臓を使用していると推定されている。

 国連と欧州会議(Council of Europe)が合同でまとめた報告書によると、報告されていない臓器売買の事例も多数あるという。臓器ブローカーにとってリスクが低く、多大な利益を得られるからだ。報告書は、実態の把握を把握し、人間の臓器や組織、細胞の売買を禁止する条約が必要だと指摘している。(c)AFP/Ahmad Khatib

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