【10月24日 AFP】黒と青の革張りで、ステレオ、フットレスト、カップホルダーを備え、さらにヘッドライト、ニトロ・ブースト・システム、ドラッグレース風のハンドル、パラシュートも搭載。芝刈り機のエンジンで最高時速24キロをたたき出す――米ミネソタ州(Minnesota)の田舎町プロクター(Proctor)の警察が、こんな「走るラウンジチェア」を近くネットオークションに出品する予定だ。

 このイスの元の所有者は、デニス・リロイ・アンダーソン(Dennis LeRoy Anderson)さん(62)。8月31日に地元のバーで飲んだ後、このイスを「運転」して帰宅する途中、道路に停車していた別の車に激突。飲酒運転で逮捕された。

 アンダーソンさんは事故原因について「女の子がイスの上に飛び乗ってきたから」と供述した。一方警察は、この供述について肯定も否定もしないとしながらも、理由は何であれ酒に酔って運転した罪は免れないとしている。

 事故当時、アンダーソンさんの血中アルコール濃度は法定基準の3倍を超えていた。さらに酒気帯び運転の逮捕歴があったことから、警察は州法に基づきこのイスを押収した。ミネソタ州法では、飲酒運転で使用された車両を押収し、それを公用車として使用したり、判決後に売却したりすることが認められている。

 アンダーソンさんは19日に罪状を認め、イスの所有権を地元警察に譲渡する手続きも近く終了する見通し。イスは、警察が来週発行の地元週報に競売の告知を掲載した後、インターネット競売大手イーベイ(eBay)でネットオークションにかけられる予定だ。(c)AFP