【10月3日 AFP】今週、ドイツ・フランクフルト(Frankfurt )の子どもたちにとって生涯忘れられない出来事が起きた。約1万5000ユーロ(約196万円)もの現金を見つけた子ども4人が、友人たちにそれを分け与えたのだ。警察当局が2日明らかにした。

 同国に住む10~13歳の少年2人と少女2人は前月29日の朝、登校していたところ、札束が詰まった汚れた茶封筒を見つけた。学校に着いた子どもたちは校庭で友人たちにその現金を分け与えた。

 現金をもらった1人が不安になり教員に告白して「事件」が発覚。教員は現金を返すよう子どもたちを説得した。

 警察が学校に到着した時点で約1万2000ユーロ(約157万円)が回収されていた。教員がさらに子供たちの良心に訴えたところ、回収金額は1万4040ユーロ(約184万円)にまで増えた。

 警察によると、子どもたちは現金をもらって大喜びで、多くの子がすでに使い道を考えていたという。

 茶封筒に一緒に入っていたパスポートのコピーと中国へのビザ申請書から、現金の持ち主は33歳のアフガニスタン人男性とみられている。この男性は封筒に入っていた正確な金額は分からないとしているため、正確な未回収額も分からないという。この男性が、自分が持ち主であることを証明する書類を提出するまで、現金は返還されないという。

 フランクフルトの南にあるオッフェンバハ(Offenbach)在住のこの男性は警察に対し、現金は中国で学費と借金返済にあてるためのものだったと説明している。男性の名前は公表されていない。(c)AFP