【9月11日 AFP】子どもたちはウクライナでポルノ、フィリピンで花火、シエラレオネでダイヤモンドの生産に従事させられている――。このような事実が、米労働省が10日発表した強制労働と児童労働に関する報告書で明らかになった。

 2005年に成立した人身取引被害者保護再授権法(Trafficking Victims Protection Reauthorization Act)に基づいて作成されたこの報告書によると、アフガニスタンや北朝鮮、ウズベキスタンなど58か国で強制労働や児童労働、またはその両方によって122品目もの製品が生産されている。農産物が最も多く、工業製品、鉱産物がそれに続いている。米労働省がこのようなリストを発表するのは初めて。

 児童労働は強制労働より一般的に行われており、主な生産物は農業分野では綿、サトウキビ、タバコ、コーヒー、コメ、カカオ、工業分野ではれんが、衣料品、じゅうたん、靴、鉱工業分野では金、石炭などだという。

 児童労働で生産されたアルゼンチンのイチゴ、バングラデシュの靴、ボリビアの金や銀、カンボジアのゴムが海外市場に出回っている。

 ミャンマーでは児童労働と強制労働によってヒスイやチーク材など14品目が生産されている。インドではガラス製の腕輪や足輪、革製品、サッカーボール、パキスタンではじゅうたんが子どもの手によって作られている。

 さらに、ロシア、ウクライナ、フィリピン、タイでは子どもたちはポルノの制作に利用されている。

 報告は、「国際労働機関(International Labor OrganizationILO)の推計によると、全世界で1200万人以上が強制労働を、2億人以上が児童労働をさせられている。その多くは危険な仕事だ」としている。

 さらに、世界経済危機によって、子どもや女性、移民など最も搾取されやすい労働者の不安定さが一層悪化したと指摘している。(c)AFP