【9月7日 AFP】妻が離婚準備中のイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(72)の女性問題疑惑の渦中にいるノエミ・レティツィア(Noemi Letizia)さん(18)が、6日に国内放送されたインタビューで、首相の離婚危機と自分の関連を否定した。

 4か月前に首相との浮気疑惑が報じられて以後、伊衛星放送スカイ・イタリア( Sky Italia)に対し、この日初めて沈黙を破ったモデル志望のレティツィアさんは「大きなスキャンダルだけど、まったくの作り話よ。デマばかりで本当に訂正したい。みんな少し頭を使ったほうがいいわ」と報道や世論を非難した。

 イタリアで「ノエミ・スキャンダル」と騒がれている今回の疑惑は、5月に首相の夫人ベロニカ・ラリオ(Veronica Lario)さんが離婚準備中であることを発表して火がついた。ベロニカさんは離婚の理由のなかで、堪忍袋の緒が切れたきっかけとして、首相が4月26日、うそをついて18歳のレティツィアさんの誕生パーティーに出席したことを挙げていた。

 首相をファーストネームで呼び、「シルビオに投票するかって? もちろんよ」と話し始めたレティツィアさんは「誰も悪くはない。わたしの家族も、首相の家族も一連の話にとても怒っている。彼ら(報道記者)はわたしと首相の関係について話をねつ造し、不健康な関係に見えるようにしてしまった。わたしたちは全員、とても落ち込んでいる」と語った。

 また、ベルルスコーニ首相が自分の誕生パーティーに出席した件についても、「誰が見てもわたしが離婚の原因にはならないはずよ。18歳の子の誕生日が、結婚を滅茶苦茶にすることなんてありえない。もしもあるとしたら、どんな結婚なのかしら。わたしは何も関係ないわ」と、首相の離婚問題とのつながりを否定し、首相夫人ラリオさんの発言については「ベロニカが言ったことは気にならない。それは彼女の家族の問題。わたしのせいにすることじゃないわ」と付け加えた。

 ラリオさんは今回のスキャンダルのなかで「小娘を追い回すような男となんて一緒に暮らせない」と発言している。一方の首相は、レティツィアさんは友人の娘である以上の関係は何もなく、「情事」は6月の欧州議会(European Parliament)選挙を控え、イタリアの左派が仕組んだ「策謀だ」と疑惑を否定し続けている。

 インタビューを放映したスカイ・イタリアは、米国の大富豪ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏が率いる米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corporation)の傘下で、イタリアのメディア王であるベルルスコーニ首相が関与しない数少ない伊放送局のひとつ。(c)AFP