【9月6日 AFP】中国香港特別区にある複数の公園の池で、ワニのような頭を持つどう猛な肉食魚「アリゲーターガー」がこれまでに少なくとも16匹発見され、香港当局がアリゲーターガーの捜索を開始した。公園利用者の間では、安全性を懸念する声があがっている。香港の英語日刊紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が5日伝えた。

 4日には全長1メートルほどのアリゲーターガーが1匹、捕獲されたが、その後死亡した。目撃されている魚はいずれも成魚で、大きくなりすぎて飼えなくなり、飼い主が池に捨てたものとみられる。

 この魚は、鼻面が突き出しているところがワニ種のアリゲーターに似ているため、アリゲーターガー(ワニ魚)と呼ばれる、北米原産の外来種。香港では家庭のペット用に販売されている。購入時の大きさはせいぜい30センチほどだが、成長すると全長は最大3メートル、体重は最大140キロにも達する。

 香港のレジャー文化を担当する康楽及文化事務署(Leisure and Cultural Services Department)の4日の発表によると、アリゲーターガーは保護する価値はなく、野生に放しておいた場合、生態系を脅かす可能性もある。

 同事務署は公園管理者に対し、定期的に池の水を清掃し、アリゲーターガーを見つけたらただちに排除するよう呼びかけている。この魚が過去に人間を襲った記録はなく、危険ではないため、引き取りたいという動物保護団体がいれば提供するという。公園にペットの魚を捨てた者には、2000香港ドル(約2万4000円)の罰金および2週間の禁固刑を科すと、同事務局は警告を発している。(c)AFP