【9月2日 AFP】2010年7月に米国が崩壊する確率は50%以上――。ロシア外務省外交アカデミーのイゴール・パナリン(Igor Panarin)教授が31日、記者会見でこのように述べた。

 米国の終わりを予測をすることでアカデミックな評判を確立したパナリン教授。同教授は冷戦時代の敵国である米国について、経済的、政治的、社会的大変動が起こる瀬戸際にあり、今会計年度の結果が投資家らを動転させると指摘する。

 さらに米国は精神的にも破滅状態にあるという。パナリン教授はその理由はすべてハリケーン「カトリーナ(Hurricane Katrina)」に始まると指摘する。さらに、米国は、ひとり親家庭が圧倒的で刑務所は満員。若者は暴力的で同性愛者も溢れている。

 パナリン教授はバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領政権下での米国の現状をソ連時代最後のリーダー、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)大統領時代の状況になぞらえる。

「米国の借金は11年で7倍にまでふくらんだ。ゴルバチョフ時代、ソ連の借金は5倍にふくらんだ」

 会見を主催した親政府系イズベスチヤ(Izvestia)紙のウラジーミル・マモントフ(Vladimir Mamontov)編集長は、パナリン教授の主張を冷めた目で見ている。その一方で同教授の主張を取り上げた理由については、「物事をおもしろおかしく解釈することは、読者がさまざま単調な情報を読んでいく上で役に立つ」からだと語った。

 パナリン教授の主張は極端だが、ロシアには米国の問題点を喜々として指摘し、旧ソ連を受け継ぐ大国としてのロシアを強調する政府寄りアナリストが数多くいることは事実だ。(c)AFP