【8月25日 AFP】英語で「アダムとイブる?」と言われて意味が分かれば、ロンドンっ子と同じようにATM(現金自動預け払い機)を使えるかもしれない。コックニー(Cockney)と呼ばれるロンドンの下町っ子ならではの韻を踏んだスラングを、「ソーセージをこの手につかむ」ために使えるサービスが、24日からロンドン東部イーストエンドのATM5台で3か月の予定で開始された。

 複数言語を選択できるATMは国によってはよく見かけるが、「コックニー」を選択しても、米アニメ『フリントストーン(The Flintstones)』のキャラクター、バーニー・ラブル(Barney Rubble)のような人ばかりいるようなイーストロンドンの言葉になじみがない人にとっては、皆目見当もつかないだろう。

「コックニー使用可ATM」でまず使用言語にコックニーを選ぶと、「ハックルベリーフィン」を入れるよう求めてくる。これは暗証番号のことだ。次に「ソーセージとマッシュポテトはどのくらいほしいか」と聞いてくる。これが引き出したい現金額。

 10ポンドを引き出すには「スペクルドヘン」を頼む必要があり、ATMに銀行(バンク)ではなく、現在「ラトル・アンド・タンク」と交信中です、といわれる。

 このATMの運用会社、バンク・マシーンの(Bank Machine)のマネジング・ディレクター、ドン・デルネボ氏は「わがロンドンのATMに地元っ子が楽しんだり、面白がるなにかを導入したかった」と語る。「ただちょっと見るためにATMにやってきて、金融サービスでロンドンっ子なまりがこんな風に使われるのは初めてだと、みんなが喜んでくれればいいね」

 同社が運用するATMはほとんどが手数料をとるが、コックニーが使用できる機械では、手数料は無料だという。

 ちなみに韻を踏んだコックニーでは、ドッグ・アンド・ボーン(dog and bone)といえば電話(フォーン、phone)、アップルズ・アンド・ペアーズ(apples and pears)といえば階段(ステアーズ、stairs)、ホイッスル・アンド・フルート(whistle and flute)といえばスーツ(suit)、アダム・アンド・イブ(Adam and Eve)といえば「信じる」(ビリーブ、believe)、バーネット・フェア(Barnet Fair)といえば髪の毛(ヘア、hair)、トラブル・アンド・ストライフ(trouble and strife)といえば妻(ワイフ、wife)、ローフ・オブ・ブレッド(loaf of bread)といえば頭(ヘッド、head)、ボートレース(boat race)といえば顔(フェース、face)、のことである。(c)AFP