【8月24日 AFP】イタリアの宝くじ「スーパーエナロット(SuperEnalotto)」で欧州史上最高額の賞金の当選者が出たとされる中部トスカーナ(Tuscany)州の小村バニョーネ(Bagnone)は、当選者の身元をめぐって大騒ぎになっている。 

 持ち越しの賞金金額が約1億4800万ユーロ(約200億円)に達していた宝くじの当選発表があったのは22日。

 複数の住民の話から、ANSA通信は当初、この幸運な当選者はバニョーネ村のバーでくじを購入した47歳の男性だと報じていた。

 ところがこの男性が、「冗談のつもりで、自分のくじを『当たりくじだ!』と知り合いに見せびらかしたら、話が広まってしまった」と告白。くじを販売したバーの経営者も、当選くじを購入したのは話題になっている男性ではないと証言した。「わたしは当選者を知っている。自分のくじは431番で、当たりくじは430番だから、わたしの前に並んでいた人物が当選者だ」。しかし、当選者の名前は明かせないという。

 一方、このバーの従業員女性は、22日の夜10時ごろ、バニョーネ村に住む男性から非常に興奮した声で礼を言う電話があったことをAFPに明らかにした。この男性は、まだバーに姿を現していないという。

 人口約2000人(夏季は約3000人に増える)のバニョーネ村では、当選者は村民との報に22日夜、住民らが中央広場に集結。シャンパンを開けて、夜通し当選を祝った。近隣の村や報道関係者も同村入りし、お祭りムードは翌日も続いている。

 バニョーネ村が、これほど宝くじ当選を喜ぶのには訳がある。同村住民の収入はイタリアの平均所得を下回っており、村の活性化に幸運な当選者の高額賞金を当て込んでいるのだ。ある40代の男性は「(資金不足で)放置されたままの工事もあるし、この村には、もっと仕事が必要だ。当選した人が助けてくれたらうれしいね」と期待を示した。(c)AFP