【8月14日 AFP】顔の表情から相手の感情を読み取る際に、欧米人は口元に注目するのに対し、東洋人は目の表情を重視する傾向があるとした研究結果が13日、米科学誌『カレント・バイオロジー(Current Biology)』に掲載された。

 英グラスゴー大学(Glasgow University)のレイチェル・ジャック(Rachael Jack)氏らの研究チームは、欧米人(白人)の被験者と東アジア人の被験者を対象に、「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」「恐れ」「驚き」「無心状態」の7種類の表情を撮影した写真を見せ、これらの表情から読み取った感情を言い当てさせた。

 その結果、東アジアの被験者は「恐れ」と「嫌悪」の表情を、それぞれ「驚き」と「怒り」に勘違いする傾向があったという。

 研究は「欧米人は目と口の双方を手がかりに感情を読み取ろうとする。これに対し、東アジア人は主に目の表情を注視し、口には関心を払わない傾向にあった。しかし、目の表情は似通っており、感情を見分けることは難しい」と指摘。さらに、東アジア系の被験者は「恐れ」の表情を「驚き」と読み取るなど、社交上、敵対的とならない方向に判断する傾向にあったという。

 こうしたことから、研究は「欧米人(白人)と東アジア人の知覚傾向は本能的に異なる」とし、異文化間コミュニケーションにおける感情の正確な伝達に向けて、さらに研究を重ねる必要があると結論づけた。(c)AFP