【8月13日 AFP】「助けて!豊胸手術をしたけれど、サイズが気に入らないの。英国大使館さん、おっぱいの問題を解決して!」――。ジャムの作り方から「わんぱく小僧」のしつけ方まで、世界中の英国大使館には時々、あきれはてた要望が舞い込むという。英外務省が13日、明らかにした。

 世界中に261ある英在外公館は、外国に滞在する英国人から舞い込む奇妙な要望に悩まされているという。英国大使館は、紛失したサングラスを探し出してくれたり、請求書の支払いを済ませてくれる機関だと思われているようだ。

 スペイン東部沿岸のアリカンテ(Alicante)にある英国領事館のジュリエット・マリック(Juliet Maric)氏は、「もし外国で、たとえば交通事故に巻き込まれたり、パスポートを紛失したり、犯罪の被害者になったりしたなど、何か深刻な問題に直面したのなら、われわれが助けになることができる」と述べる。

「しかし、あなたのプールを使用する許可を得ているのは誰かとか、タクシー代をあなたの代わりに払うことや、為替レートをどうにかしろといったことについては、われわれは何もできない」

■豊胸手術からジャムの作り方まで

 ある女性は、豊胸手術で手に入れた胸のサイズが気に入らないといって、大使館に協力を求めてきたという。

 また、米フロリダ(Florida)州の領事館では、ある母親が、息子の気分がすぐれないので、荷物をまとめるのを手伝い、息子を車で空港に送るよう頼んできたという。

 ジャムを作る際のフルーツと砂糖の比率を教えて欲しいと頼まれた領事館職員もいる。

 休日にイタリア旅行を楽しんでいたある英国人は、あるブランドの靴はどこで買うことができるのかと領事館に電話をかけてきた。

 さらに、クレジットカードの利用限度額を使い切ってしまったので代わりに支払いをして欲しいという要望や、「うちのいたずら息子をしつけるにはどうしたらいいか教えて欲しい」と旅行客にたずねられることもあったという。

 英領事局幹部は、「大使館は天気予報や手に負えない子どものしつけ方などを教える場所ではない。英国民は、英外務省が国民のためにできることとできないことをしっかり理解すべきだ」と強調した。(c)AFP