【8月13日 AFP】パリ(Paris)郊外エムランビル(Emerainville)にあるプールが、全身の大部分を覆うイスラム教徒の女性向け水着「ブルキニ」を着用した女性の入場を拒否し、論議を呼んでいる。

 折しもフランスでは、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が6月、全身を覆う衣服ブルカについて「フランスでは歓迎されない」と発言し、ブルカ着用禁止の是非を検討する議員32人からなる特別委員会が設立されるなど、イスラム教徒女性の服装をめぐる論争が激化しており、この一件が火に油を注ぐ格好となった。

 エムランビルの地元当局が12日明らかにしたところによると、女性は7月にもこのプールを訪れブルキニを着用したが、その時は入場が許可された。ところが、8月に再度訪れた際には、プール側は着衣のままの入場を禁じるという衛生上の規則を適用し、入場を拒否した。

 パリジャン(Le Parisien)紙によると、女性はイスラム教に改宗したフランス人で、プール側の決定を不服として提訴する構えだという。「これはまさに人種差別です。変化をもたらすために戦います。もし負ければ、フランスを出国することも検討します」(女性の談話)

 地元市長は、ブルキニはコーランに載っていないためイスラム教の水着ではないとし、今回の問題はイスラム教徒は関係ないと主張している。(c)AFP