【6月24日 AFP】ドイツの教師が、生徒たちが教師のランク付けをするウェブサイトを閉鎖するよう訴えていた裁判で、同国南西部カールスルーエ(Karlsruhe)の連邦憲法裁判所は23日、教師の訴えをしりぞける判決を下した。

 裁判は、ノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州の女性教師、Astrid Czubayko-Reissさんが、教師評価サイト「spickmich.de」(「私をチェック」という意味)によって自分のプライバシーを侵害されたとしてサイトの閉鎖を訴えていたもの。裁判所は、「意見を自由に交換できる生徒の権利は、自分に関する情報の削除を訴える教師の権利に勝る」として、訴えをしりぞけた。

 このサイトは、生徒たちが匿名で教師を評価できるもので、評価項目は「かっこよくておもしろい」「人気がある」「やる気がある」「なごやかである」「教え方が上手」などに分かれている。

 ちなみにこの教師は、1から6までの6段階(数字が小さいほど評価が高い)で4.3、「D」の評価だった。
 
 教師は、下級裁判所でも訴えをしりぞけられており、今回の判決を受け、ドイツの最高裁にあたる連邦憲法裁判所に上訴していた。

 ドイツの教員団体は、「匿名の生徒がネット上で行った評価よりも、教師の人権が過小評価されている」として、判決を非難している。(c)AFP