【6月9日 AFP】欧州委員会(European Commission)は8日、白ワインと赤ワインを混ぜてロゼワインを作る製法を認可する計画を取り下げたと発表した。計画には、フランスとイタリアのワイン製造業者が強く反対していたほか、欧州のワイン製造部門を統括する諸団体もロビー活動を展開していた。

 こうした「ミックス製法」の認可については、欧州連合(EU)が今月中に投票を行い、最終的な判断を下すことになっていた。

 こうした製造はワイン製造業の「工業化」を促進するとみられており、ワイン生産者らは、数千人が失業する可能性を指摘。さらに、絞り汁が薄く色づくまでブドウの果皮を残しておくという時間のかかる伝統的なロゼワインの製法が危機にさらされると懸念されていた。

 決定を受け、フランスのワイン生産者連盟「AGPV」のグザビエ・ド・ヴォロンタ(Xavier de Volontat)会長は、「認可されていたら、経済も社会も破滅していただろう」と述べ、決定に大満足だと語った。

 イタリアのルカ・ザイア(Luca Zaia)農相は「伝統が勝利した。われわれが望む欧州の姿とは、アイデンティティーとクオリティー、食の安全と伝統が尊重されることだ」と話した。(c)AFP