【5月5日 AFP】中国・北京(Beijing)で、地元政治家の1人が、痴漢行為などの防止や混雑の緩和を目的に、市内の地下鉄に「女性専用車両」を導入することを提案している。中国の国営英字紙「チャイナ・デーリー(China Daily)」が5日、報じた。

 提案を行ったのは、北京市の人民政治協商会議(Chinese People's Political Consultative ConferenceCPPCC)委員であるWang Zhuo氏。同氏はチャイナ・デーリー紙に対し、「北京の地下鉄はラッシュ時には大変混雑しており、そうした狭い空間では、女性は体力や身長の点で非常に不利な立場に立たされている」と指摘した。

 さらに、混雑した車内での痴漢行為も問題になっていることから、Wang氏は地下鉄の中央部分の数車両を、女性やお年寄り、子どもの乗客のための専用車両にすることを提案したのだという。Wang氏の提案は、市民の間で議論してもらうため、市当局のウェブサイトに掲載されているという。

 北京市の地下鉄は毎日、最大340万人が通勤などで利用しており、数年後に複数の新規路線が開通予定ではあるものの、それでも世界で最も混雑がひどい地下鉄の1つだとみられている。

 北京市在住の女性200人を対象にした最新の調査によると、50%の女性が地下鉄に乗車することは非常に困難だと回答しているほか、30%がラッシュ時には無理やり車内に体を押し込むようにして乗車していると答えている。(c)AFP