【4月29日 AFP】高校生の理数系の学力が最も高いのはフィンランドとニュージーランド――30か国が加盟する経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)が28日、このような報告書を発表した。逆に最も成績が低い国は、ギリシャ、イタリア、メキシコ、ポルトガル、スペイン、トルコだという。

 報告書によると、15歳の高校生の理数系の学力について、フィンランドとニュージーランドでは5人に1人が「高いレベル」に到達しており、逆にギリシャ、イタリア、メキシコ、ポルトガル、スペイン、トルコでは、「高いレベル」に達している生徒は20人に1人以下という。

 その一方で、理数系の学力が非常に高い生徒のうち、「理数系の職業には興味がない」と答えた割合は40%近くにのぼり、「理数系の勉強を続けたくない」と答えた割合にいたっては約45%にも達した。

 報告書は、こうした傾向について、「生産性向上と技術革新に向けて技術力の高い人材を育成したい国々にとっては悪いニュースだ。科学に立脚した社会の未来にとって、ハンディキャップとなりうる」と憂えている。

 OECDによると、「学問で優秀さを発揮することへの社会的障壁が依然として極めて高い」国が多いなか、日本、フィンランド、オーストリアでは、恵まれない環境にいる生徒の3人に1人以上は理数系で非常に高い成績を残しているという。(c)AFP