【4月16日 AFP】オーストラリア・カンタス航空(Qantas Airways)の国内旅客便で、貨物扱いにされていたニシキヘビ4匹が飛行中に「失踪」する事件があった。

 16日の同航空の発表によると、問題が発生したのはアリススプリング(Alice Springs)発メルボルン(Melbourne)行きのボーイング(Boeing)737-800型機。14日、アリススプリングを離陸した際には12匹いたニシキヘビの幼生が、メルボルンに着くと8匹に減っていた。

 カンタス航空幹部は地元公共ラジオに、ヘビの失踪はまったくの謎だと答えた。12匹は口が閉まったキャラコ地の袋に入れられ、さらにその袋も呼吸用の穴が開いた発砲スチロールの箱に入れられ、厳重に梱包されていたという。

「スタッフがは虫類の専門家を呼んだところ、ほかのヘビに共食いされてしまったのではないかと言われた。ニシキヘビの幼生ではありうることだと」。そこでカンタスの職員が、ヘビたちが搭乗前よりも重くなっているかどうか体重を量ってみたが、変化はなかった。最終的に考えられるのは、梱包を破って4匹が逃げたという結論だけになった。

 そこでカンタスは今度は野生動物の専門家を呼び、このニシキヘビが絶滅危惧(ぐ)種にあたるかどうかを照会した。「この種は絶滅危惧種ではなかった。それで、運航を中止して同機を燻蒸した。後からほかの機内などから出てきたとしても、そのときはただの死がいだろう」

 ヘビはスティムソンニシキヘビと呼ばれる種で、カンタス航空では毒は持たず「成長すれば1メートル程度にもなりうるが」、消えたのは全長15センチほどの幼生だと、苦しまぎれに説明している。(c)AFP