【4月15日 AFP】バイアグラ(Viagra)やシアリス(Cialis)といった性的不能治療薬を定期的に服用しても、長期的な視力低下は招かないという研究結果が、眼科専門誌「Archives of Ophthalmology」4月号に掲載された。

 バイアグラやシアリスについては、服用者から「目がかすむ、視界が青みがかっている」といった苦情が複数寄せられたことから、医療現場では、こうした性的不能治療薬による健康被害が懸念されていた。実際、こうした薬はペニスの血液中の酵素を抑制することで勃起不全(ED)の症状に対処しているが、同様に目の網膜中の物質にも働く可能性が指摘されてきた。

 こうしたことから、シアリスの製造元である米医薬品大手のイーライリリー(Eli Lilly)の資金提供による6か月間の実験が行われた。実験では、30-65歳の健康な男性244人(軽い性的不能に悩む男性も含まれる)を対象にし、うち85人にシアリスを毎日5ミリグラム、77人にバイアグラを毎日50ミリグラム、82人に偽薬を服用してもらった。

 最後まで実験に参加した194人について視力を検査したところ、性的不能治療薬を服用し続けたグループと偽薬を服用し続けたグループとでは目立った差異はなかった。

 研究は、「シアリスを毎日5ミリグラム、またはバイアグラを毎日50ミリグラム、6か月間服用し続けても、臨床的には何らの被害も影響もないと思われる」と結論付けている。(c)AFP