【2月18日 AFP】中国保健省は16日、テレビ・ラジオの医学番組やコマーシャルで俳優が医者や患者を演じることを禁止する省令を出した。国営新華社(Xinhua)通信が17日伝えた。

 新華社によると、京華時報(Beijing Times)紙は最近、薬のテレビコマーシャルで名前を使い分けて計4人の専門家になりすましていた俳優、さまざまな患者のふりをしてコマーシャルに出演していた女優のことを報じていた。この女優は複数のコマーシャルで、それぞれ肺、肝臓、腎臓、心臓に問題がある患者を演じ、そのたびに、宣伝されている薬を服用して「治った」と語っていた。

 英字紙シャンハイ・デーリー(上海日報、Shanghai Daily)によると、前月には、山東(Shandong)省の複数のテレビ局の複数の番組で、同一人物が氏名・経歴を使い分けて専門家として出演していると、ネットユーザーからの指摘があった。こうした「ニセ専門家」は12人いることが明らかになったという。

 新華社によると、当局はテレビ・ラジオ局に対し、ニセ専門家が出演する番組や広告の放送をただちに中止するよう通達を出した。これに違反した局の幹部は罰則を受けることになるという。

 ニセ専門家たちは、病院や大学の同意も得ていると主張していることもあり、捜査当局は、病院や大学に対し、こうした人物たちと接触しないよう呼びかけている。

 中国は現在、無秩序で規制が甘く、しばしば腐敗も指摘される健康産業の正常化に懸命に取り組んでいる。国内にはニセ薬や危険な薬が広く出回っており、安全上の問題も多数発生している。(c)AFP