【2月10日 AFP】交通事故で17年間もこん睡状態が続き、死ぬ権利をめぐってイタリア国内で議論が高まっていたエルアナ・エングラロ(Eluana Englaro)さんが9日、死去した。38歳。イタリア上院では同日、緊急会議が開かれ、エングラロさんの延命停止を阻止するための法案について審議が行われていた。

 マウリツィオ・サッコーニ(Maurizio Sacconi)保健相は、エングラロさんの延命を命じる緊急政令についての審議が始まった直後に、エングラロさんが死亡したことを発表した。発表はイタリア国内のテレビでも放送された。

 エングラロさん死亡の報を受け、上院議員たちは1分間の黙とうをささげたものの、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)政権が6日に閣議決定した緊急政令の審議を続行した。この政令が承認されていた場合、医師はエングラロさんへの栄養供給を停止することはできなかった。(c)AFP/Gina Doggett