【1月21日 AFP】(一部更新)ファッショニスタたちは、20日の大統領就任式でミシェル・オバマ(Michelle Obama)夫人が身にまとっていたドレスを口々に褒めそやしている。光り輝く黄金のドレスとそれにマッチしたコートは、キューバ系米国人デザイナー、イザベル・トレド(Isabel Toledo)氏によるものだ。

 ソフトグリーンの革の手袋、スモーキーグリーンのパンプス・・・ファッションウォッチャーたちからは、「すてき」「エレガント」「この凍てつく寒さに燃え立つようなぬくもりを与えてくれた」など、好意的な感想が寄せられた。

 ニューヨーク(New York)にあるファッション工科大学(Fashion Institute of Technology)の博物館の副館長、Patricia Mears氏は、「ミシェルさんはセンスの良さのみならず、主体性をも示した」と語った。

 「イザベル・トレドを選んだことに非常に興奮した。彼女は非常に才能のあるデザイナー。オバマ夫人はデザイナーを、名前ではなく才能で選んだ」「伝統的な青や赤ではなく、レモングラスという色を選んだところにも、彼女の個性と人柄が出ている」と語った。

  また、長女のマリア(Malia Obama)さんは青のオーバーコートとスカーフ、次女サーシャ(Sasha Obama)さんはピンクのオーバーコートとオレンジのスカーフと、母親に負けず劣らず完ぺきなファッションで登場した。

 また、ミシェル夫人の母親のマリアン・ロビンソン(Marian Robinson)さん(71)は、シンプルなウールの帽子、赤のスカーフといった服装だった。

■トレド氏「自分のドレスが選ばれたのは光栄」

 トレド氏は、キューバで生まれて8歳のときに米国に渡った、女流デザイナーだ。現在48歳。オバマ氏の選挙キャンペーン中から、ミシェルさんのお気に入りとして、その名前が知られるようになった。

 ところがニューヨークタイムズ(New York Times)のブログによると、本人は、晴れの舞台に自分のドレスが選ばれることを、直前まで知らなかったという。

 トレド氏は、前年のクリスマスの頃から、約13人のスタッフとともにドレスの製作にかかった。「とても楽観的な色にしたかった。それがサンシャイン(黄金色)だったの。これをまとった彼女にうっとりしてほしかった。周りのみんなもうっとりするだろうと思った」

 そして、ブログには、感謝の気持ちもつづられた。「われわれはスタッフ一同、このような機会を与えてくださったことに感謝しています。われわれには広報担当者さえいないのですから!」

 米ファッション情報紙「Women's Wear Daily」によると、夫人は、18日のリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)での公式行事では、キューバ系米国人デザイナー、ナルシスコ・ロドリゲス(Narcisco Rodriguez)氏の黒とキャメル色の衣装で登場した。

 ミシェル夫人は、2007年秋に米ファッション雑誌ヴォーグ(Vogue)にフォーカスされて以来、雑誌編集者、デザイナー、ブロガーから「ファッション・アイコン」の名を欲しいままにしている。

 彼女は、マリア・ピント(Maria Pinto)、タクーン・パニクガル(Thakoon Panichgul)といった前衛的なデザイナーのものから、H&M、ジェイ・クルー(J. Crew)、ギャップ(Gap)といった大衆向けの服まで着こなせることでも知られている。

 だが、就任式で注目を集めたのは、夫人だけではない。「My Country Tis of Thee」を熱唱した米ソウル・ミュージックの女王アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)は、グレーのドレスに、大きなリボンの付いたグレーのフェルト帽というオリジナル性あふれた衣装で、人々をあっと言わせた。(c)AFP/Paola Messana