【1月12日 AFP】アルゼンチンで貧困に窮する州の住民約400人が、自分たちの悲惨な状況を知らせるために全面的なハンガーストライキに突入する。

 人権擁護活動と反貧困運動で知られる1980年のノーベル平和賞受賞者、アドルフォ・ペレス・エスキベル(Adolfo Perez Esquivel)氏は11日、同国随一の海浜リゾート、ブエノスアイレス(Buenos Aires)州マル・デル・プラタ(Mar del Plata)で今回のハンストについて記者会見した。

 絶食は12日、フフイ州東部のラ・キアカ(La Quiaca)で始まる。エスキベル氏は「貧しい人びと、社会に取り残された人びとの権利のために、ラ・キアカは過激な方法で再び立ち上がる」と発表した。同州の社会問題に、政府および地元自治体が関心を持たないことへの抗議を示すという。参加者は「最終的結果」が得られるまでハンストを続ける予定だ。

 エスキベル氏は、ハンストを発表する会見場所にマル・デル・プラタを選んだ理由について、アルゼンチンの主要観光地としてにぎわうマル・デル・プラタと、州住民62万人の30%が「極度の貧困と飢え、栄養不良によって病気を患った子どもを抱える家庭」であるフフイ州との差を、明確に示したかったからだと述べた。マル・デル・プラタは首都ブエノスアイレスの南約400キロに位置する。(c)AFP