【1月11日 AFP】英日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)は11日、英王室のヘンリー王子(Prince Henry、24)が士官学校の士官候補生だった2006年にパキスタンやインド人およびアラブ人に対する差別的な言葉を使っていたと報じた。

 同社がウェブサイトで公開した映像の中で王子は、出発前の空港でビデオを撮りながらアジア系の士官候補生に「Ah, our little Paki friend, Ahmed(パキの友達アハメド)」と声をかけたが、「パキ(Paki)」はパキスタン人やインド人に対する軽蔑的な言葉とされる。

 演習中にも王子は、カモフラージュネットをかぶった別の士官候補生を撮影しながら、「It's Dan the Man... Fuck me, you look like a raghead(ダンだ、ラグヘッドのようだ)」と発言。布を頭に巻いているという意味の「ラグヘッド(raghead)」はアラブ人に対する人種差別的な言葉に当たる。

■「悪意はなかった」と謝罪

 英王室は声明を発表し、「ヘンリー王子は発言が侮辱的であり、不快感を与えたことを十分理解しており、大変申し訳なく思っている」と陳謝した。

 一方で、パキという表現については、親しみを込めて「パキ」と呼んだとして、「悪意はなかった」と主張。ラグヘッド発言は、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)やイラクの反政府武装勢力を指したものと説明した。(c)AFP