【12月30日 AFP】オーストラリアのシンボルともいえるニューサウスウェールズ(New South WalesNSW)州の海岸で、「日焼けした肌に上半身あらわ」のトップレス姿が違法となるかもしれない。

 NSWでは今、中道右派キリスト教民主党(Christian Democratic PartyCDP)指導者で聖職者でもあるフレッド・ナイル(Fred Nile)州下院議員が、女性に胸を隠させることを義務付ける法律を作ろうと懸命になっている。ナイル議員が推進する法案は、同州内でのトップレスで日光浴を禁じる内容だ。NSW州はボンダイ・ビーチ(Bondi Beach)などビーチリゾートで名高い。

 オーストラリアで日光浴を愛する人びとの間では、トップレスは一般的な行為だが、ナイル議員は、胸をあらわにしている女性は不快であり、禁じられるべきだと主張している。議員は30日、現地デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙に「明確な法律にすべきだ。浜辺での女性の胸の露出は禁じると記さなければならない。そうしないと、みんなに『わたしはヌードじゃない。(トップレスでシドニーの街中のように)そのへんだって歩けるわ』と言わせる余地を与えてしまう」と語った。

 同紙によると、国会レベルでも与党労働党(Australian Labor PartyALP)、野党自由党(Liberal Party of Australia)双方に、ナイル議員の主張を支持する議員も出ている。

 しかし、 ジュリア・ギラード(Julia Gillard)副首相は、トップレスで日光浴をするかしないかは個人の問題だと批判的だ。副首相は報道陣に「ビーチに行って、みんな思い思いの楽しみ方をしたいはず。みんながルールを知っていて、自分は何をすべきかさえ分かっていれば、こうしたことは人それぞれの問題だと思う」と語った。(c)AFP