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タブーを破りモスクでエイズ啓発活動、パキスタン

  • 2008年12月27日 17:00 発信地:カラチ/パキスタン
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パキスタン・カラチ(Karachi)の路上でヘロインを吸う男性たち(2008年12月1日撮影)。(c)AFP/Asif HASSAN

【12月27日 AFP】パキスタン・カラチ(Karachi)のモスクで金曜礼拝を先導するムハンマド・アジーム(Mohammad Azeem)さん(36)。ある週の礼拝でアジームさんが行った説教には、保守的な信者らにとって衝撃的な内容が含まれていた。

 エイズ(AIDS)がいかに危険な病気であるか。このイスラム教国では、長らくタブーとされてきた話題だ。

■エイズ啓発で「命を救う」

「タブーを破ったとたん、コミュニティー全体に衝撃が走った」と振り返るアジームさん。自身も「エイズ患者はアラー(Allah)に対し罪を犯した者」と見なしてきたのだが、政府の国家エイズ対策プログラム(NACP)の会議に招かれてから考えが変わった。

 アジームさんの心を動かしたもの、エイズやその患者への見方を変えたものは、NACPが掲げる「命を救う」という目標だった。「わたしもエイズ啓発に一役買おうと思いました」

 NACPのハッサン・アッバス・ザヒール(Hasan Abbas Zaheer)氏によると、会議に参加した宗教指導者のほぼ全員が、宗教以外の事柄について説教を行うことには柔軟姿勢を示したものの、エイズが国内で問題になっていることを認めようとはしなかった。エイズは、よその社会の不道徳を象徴する、外国の病気だと考えていたためだ。だが、エイズについて深く知るうちに、礼拝でイスラムの教義を引き合いに出してエイズ啓発を行うことに同意したという。

■宗教指導者への尊敬を有効活用

 NACPでは、宗教指導者らにエイズウイルス(HIV)の危険性について教育を行い、エイズ予防は大切だというメッセージをコミュニティーに周知してもらうことを目指している。宗教指導者は人びとから尊敬され、宗教指導者が言うことであれば人びとは従うからだという。
 
 アジームさんによると、最初は顔をしかめていた信者たちも、今では真剣に耳を傾けるようになったという。「彼らは、本当は、そうした事柄をもっと知りたいと思っているのです」

 現在、礼拝でエイズに関する説教を定期的に行っている先導者は数百人にのぼっている。NACPは、キリスト教やユダヤ教の指導者、神学校の教師に対しても同様の活動を試みたいとしている。

■プログラムへの反対意見も

 一部の政治家、特に原理主義政党の議員らは、こうした計画に強硬に反対している。ジャマーアテ・イスラーミー(Jamaat-i-IslamiJI)のある幹部は、「わが国のエイズ感染者数は増えているにしても、欧米ほど深刻ではない。なぜならわれわれは、婚姻外の性交渉を禁じるコーランの教えに忠実に従っているのだから」と話す。  

 パキスタンのHIV感染者数は公式には5000人とされているが、NACPは実際には7万人から8万人いると見ており、ハイリスクグループ、特に針を使い回すことの多い麻薬常習者の間で急速に拡大しているという。

 当局は、エイズは1980年代後半、海外で感染した出稼ぎの男性たちにより国内に持ち込まれ、妻との性交渉により広まっていったと見ている。パキスタンでは、輸血用血液の約半数がHIVのスクリーニング検査を受けていないため、以降、輸血によるHUV感染者数は増え続けている。(c)AFP/Hasan Mansoor
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