【12月21日 AFP】イタリア・ミラノ(Milan)で、押収した高級キャビアを慈善団体に寄贈するという当局の粋な計らいを受け、ミラノの低所得者層が、思いも寄らないクリスマスプレゼントを受け取ることになるという。コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)紙が20日、報じた。

 前月、ミラノの税関はポーランドのワルシャワ(Warsaw)から送られた宅配便の梱包2個に、輸入制限に違反した最高級ベルーガキャビア合計40キログラムを発見し、押収した。市場価格は40万ユーロ(約5000万円)に上るという。

 税関当局は、押収品のサンプルを「捜査のため」として手元に残し、残りを慈善団体に寄贈することを決めた。

 キャビアを押収した税関の幹部Juri Mantegazza氏は、「調査の結果、キャビアが食に適することが判明したので、普段キャビアを食べる機会のない住民にクリスマスプレゼントとして振る舞うことにした」と述べた。

 一方、地元の慈善団体はこのプレゼントに困惑を隠さない。

 慈善団体「チャリティー・ハウス(Charity House)」のVirginio Colmegna神父は、「寄付・寄贈はすべて受け入れます。でも、貧しい人たちが必要としているのは贅沢品よりも権利と尊厳であることを忘れてはいけません」と語っている。(c)AFP