【12月9日 AFP】犯罪率の高さで知られる米ロサンゼルス(Los Angeles)のコンプトン(Compton)地区では、犯罪撲滅を目的に「銃と商品券を交換する」キャンペーンが実施されているが、昨今の経済不況を反映してか、交換される銃の数が記録的な数にのぼっている。

 アムネスティが実施するこのキャンペーンは、警察に銃を引き渡せば、電器店やスーパーで使える商品券がもらえるというもの。護身用銃器は100ドル、対人殺傷用銃器は200ドルの商品券と交換できる。同地区での銃の不法所持の撲滅を目指し、2005年から行われている。

 前年キャンペーンで商品券と交換された銃は計387丁だったが、8日の警察発表によると、今年はこれまでに965丁という記録的な数にのぼっており、さらに増え続ける可能性があるという。

 バイロン・ウッズ(Byron Woods)巡査部長はFox 11テレビに対し、背景には経済の低迷があると語った。食べ物を買うお金にさえ事欠く人は多く、銃を交換する人の大半は家庭を持っている人間なのだという。「あるとき解雇されたばかりだという男性が、5丁の銃を提出しにきた。家族を飢えさせずに済む、助かった、と言っていたよ」

 提出された武器は、犯罪に使用された痕跡がないか調べられた後で、破壊処理されるという。今年提出された武器には、旧ソ連製のセミオートマチック式カービン銃1丁、手榴弾2発も含まれていたと、地元メディアは報じている。(c)AFP