【11月28日 AFP】米司法当局は26日、2002年に盗まれた、独ナチスの独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の遺品とされる18金のしおりを売却した罪で男を逮捕し、しおりを回収したと発表した。

 当局は25日夜、ワシントン(Washington)州ベルビュー(Bellevue)の路上で、ルーマニア国籍の男性Christian Popescu被告(37)を逮捕。被告はこのしおりを10万ドル(約950万円)で売却しようとしていた。

 被告は盗品売却の容疑で起訴された。有罪になれば、最高10年の禁固刑と25万ドル(約2400万円)以下の罰金刑が課せられる。

 このしおりは、1943年のスターリングラード(Stalingrad)の戦いで敗れたヒトラーを励ますために、愛人のエバ・ブラウン(Eva Braun)が贈ったとされるもの。「私のアドルフ、心配しないで。あなたの確実な勝利が揺らぐことはないわ」と刻まれているという。

 ヒトラーの部下だった軍人ヴィルヘルム・カイテル(Wilhelm Keitel)の家族が所有していたが、2002年10月にマドリード(Madrid)のオークションハウスからそのほかの宝石類とともに盗まれていた。(c)AFP