【11月10日 AFP】次期大統領に民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が選出され、議会でも民主党が優勢となった米国では、新たな銃規制の導入を恐れて銃を購入する人が急増している。

 銃購入者の警察記録を管理する米連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation FBI)によると、オバマ氏優勢が確実となりつつあった10月の全米の銃の売上は前月比15%増となった。全体で118万丁のうち15万丁をロングガンと呼ばれる大型銃が占めた。

 オバマ氏は選挙期間中、銃擁護派が銃所持の根拠とする合衆国憲法修正第2条に関する国民の権利を尊重すると述べていたが、イリノイ(Illinois)州上院議員時代には、銃器販売の規制強化に賛成する投票をしていた。

 銃所持者向け専門誌『ガン・ウィーク(Gun Week)』のデイブ・ワークマン(Dave Workman)編集主任は「こうした動きの底流となっているのは、オバマ政権となり、しかも上下両院で民主党が多数を占めるという状況になると、(半自動小銃を含む)一定の銃を禁止しようという試みが起こるのではないかという、法制化に対する人びとの懸念だ」と語る。

■失業の増加も一因

 全米射撃基金(National Shooting Sport Foundation)のTony Aeschliman氏は、民主党のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領が選出された92年にも銃の販売が急増したと指摘する。

 過去14年間で最も高い6.5%という失業率も銃の販売が急増した原因の1つだという。「失業が増え始めると、狩猟が増える傾向がある。暇つぶしになるし、肉も手に入るからだ。失業の増加が銃販売急増の一因になっていることは間違いない」(c)AFP/Virginie Montet