【10月28日 AFP】南アフリカのゾラ・スクウェイヤ(Zola Skweyiya)社会開発相は27日、エイズ孤児の数が増え続ける一方で、養子として引き取られるケースは減少しているとの懸念を表明した。

 首都プレトリア(Pretoria)で行った記者会見で同相は、南アフリカにおける前年のエイズ孤児数は約150万人だったが、国内で養子として引き取られた数は1900人程度にすぎず、前年比で約13%も減少していると指摘した。

 同国にはエイズ孤児の里親制度があり、里親に養育されている孤児は49万5000人に達している。スクウェイヤ開発相は同制度について「短期的には有益だが、唯一の解決策とはならない」とした上で、永続的な家庭環境を築く「養子縁組」の利点を強調。「エイズ孤児を引き取り、彼らに永続的な家庭と愛を与えるよう、国民に呼びかけていきたい」と話した。

 人口4700万人の南アフリカのHIV感染者数は約550万人と、世界最悪の水準。南ア政府は現在、総計23万8000人のエイズ孤児と、エイズで親を失った幼い兄や姉が弟や妹の面倒をみている世帯2万以上に対し、各種支援を行っている。(c)AFP