【10月20日 AFP】英国の冒険家ピート・ゴス(Pete Goss)氏が20日、自作の簡単な木造船で「星だけをたよりに」オーストラリアまでの航海に乗り出す。150年以上前にコーンウォール出身の英国人7人がとった航路をたどる予定だ。

 元英国海兵隊員のゴス氏、息子のエリオット君(14)、兄弟のアンディーさん、義理の兄弟のマークさんの計4人が乗り込んだ全長11.3メートルの木造船は、天候が許せば20日にも英国南西部のコーンウェル(Cornwall)市ニューリン(Newlyn)港を出発。南アフリカ回りでオーストラリアのメルボルン(Melbourne)を目指す。

 全長1万7700キロの航路は、1854年11月18日、ゴールドラッシュに沸くオーストラリア目指してニューリン港を出発した「ミステリー号」をなぞるものだ。「ミステリー号」の乗組員7人は、修理と食糧補給のために南アフリカのケープタウン(Cape Town)に1回寄港しただけで、116日後の翌年3月14日にメルボルンに無事到着した。ゴス氏も、同じ日数で到着したい考えだ。

 ゴス氏にとって、海の冒険は今回が初めてではない。1996年には単独無寄港世界一周帆走レース、ヴァンデ・グローブ(Vendee Globe)に出場し、途中でコースを変更してライバルの選手を救助するという勇敢さを見せた。2000年12月に出場した別のレースでは、大西洋上で嵐に見舞われて「救助される側」になった。

 今回使用する船には監視用に衛星追跡システムが搭載されるが、航行のための近代的な機器は装備されず、航海はもっぱら星をたよりに行われる。「構想には何年も要した。出発が待ちきれないよ」とゴス氏は語っている。(c)AFP