【9月2日 AFP】スイスで金魚を飼っている人は、金魚を生きたままトイレに流して処分することはできなくなった。1日に発効した厳格な動物保護法は、金魚を処分する場合は「尊厳死」させることを規定しているからだ。同法によると、「金魚を叩いて気絶させ、殺したあとで、捨てること」が正しい処分の仕方だ。

 同法は、ペット、家畜、実験用動物、そして動物園やサーカスの動物たちの扱い方を詳細に規定している。

 釣りをする場合、「キャッチ・アンド・リリース(釣った魚を再び戻す行為)」や生きた魚を餌に使用することは禁止になった。セキセイインコやハムスターを1匹だけで飼うことも違法行為となる。ヒツジやヤギを1頭だけ隔離して飼育するのも違法で、同種の動物が目で見える範囲にいなければならない。

 猟犬の飼い主に対しては、人を噛まない犬にするための正しい育て方に関する特別講習を義務づける。また、ペットの犬をファッション・アクセサリーとして「カスタマイズ」するため、しっぽや耳をトリミングするのも、「垂れ耳」にするための整形手術を受けさせるのも、厳禁だ。

 だが、動物たち自身は、こうした規定すべてを心から歓迎しているのだろうか。例えばブタは、泥の中で寝転がっている時がいちばん幸せだと言われる。だが、そんなブタたちもシャワーを浴びて身ぎれいになる法的権利を持つことになったのだ。(c)AFP