【8月10日 AFP】英国で、ポップコーンをほおばりながら映画館で映画鑑賞するという、長らく愛されてきた伝統の評価が揺れている――英オブザーバー(Observer)紙が10日、ポップコーンの販売を中止する映画館が増加しているとの記事を掲載した。

 アートシアター系の映画館チェーンの一部で、健康に関心の高い映画館常連客が砂糖でコーティングされたポップコーンを拒絶していることやポップコーンの特徴的な臭いが原因で、着々とこの菓子が「終わり」を宣告されている。こう話すのは、ロンドン(London)の高級住宅街ハムステッド(Hampstead)にある有名映画館「エブリマン・シネマ(Everyman cinema)」のオーナーDaniel Broch氏。Broch氏は、最近も映画館17館を買収したばかり。

「私は買収した映画館の全館で、ポップコーン販売を中止する。圧倒的な臭いや、ポップコーンに染み付いたイメージ、そしてポップコーンによる汚れなどの点で、影響が大きすぎる。ポップコーンがあるよりポップコーンが無い方が良いと言っているのではない。ただ、私が提供している文化的に洗練されたブランドとポップコーンは、何をしたところで相容れない」(Daniel Broch氏)

 一方、ポップコーン販売を中止しようとしたが、利用客がポップコーン販売を望んでいることがわかった映画館もある。

 映画館チェーン、カーゾン(Curzon)のマーケティング・ディレクター、リチャード・ナッパー(Richard Napper)氏は、「3館の映画館で、利用客がポップコーン販売を求めたので提供することにした」と話した。(c)AFP