【7月17日 AFP】欧州では、英国とアイルランドは平均収入が最も高いにもかかわらず、生活の質では最下位。逆に生活の質が最も高いのはスペインとフランス。16日に発表された「欧州の生活の質指数(European Quality of Life Index)」でこのような結果が明らかになった。

 英国のサービス比較サイト「U-Switch」は、欧州10か国を対象に、収入、労働条件、医療、教育、生活費など、生活の質に影響する19項目を評価した。すると、生活の質が最も低いのはアイルランド、その次に低いのは英国という結果が出た。

■英国とアイルランド、年収多いが物価も高い

 英国人の平均年収は3万5000ポンド(約730万円)以上と、欧州全体の平均年収を約1万ポンド(約200万円)も上回っている。アイルランドの平均年収は2万9000ポンド(約600万円)以上と、英国に次ぐ高い水準だ。

 その一方で英国では、燃料、食糧、生活必需品の価格が非常に高い。例えば、燃料代は欧州平均を6-18%、ガス料金は49%も上回っている。家賃も断トツに高い。また、欧州平均と比較して、休暇取得日数は少なく、定年の平均年齢は63.2歳と高く、平均寿命は78.9歳と比較的短い。健康・教育サービスへの投資額も欧州平均を下回っている。

 アイルランドは、英国同様に過去10年間で空前の好景気に沸いたが、生活の質では最下位となった。ガス料金は、欧州平均を2倍以上も上回る。定年の平均年齢は64.1歳と10か国中最も高く、平均寿命は78.1歳とイタリアに次いで短い。

■上位はスペインとフランス

 生活の質が最も高いと判断されたのは、スペインだ。平均収入は1万6800ポンド(約350万円)と10か国中最も低いが、税率の低さや生活必需品の安さが良い判断材料となった。

 2番目に生活の質が高いのがフランスだ。休暇取得日数は40日と、10か国中最も多い。定年の平均年齢は58.9歳と、ポーランドの58.4歳に次ぐ低さだった。(c)AFP