【7月9日 AFP】米国の英語辞典大手メリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)の大学辞典最新版に、日本の「edamame(枝豆)」が加わった。このほか、「wing nut(強硬策や大変革を求める人)」や「pescatarian(ペスカタリアン:魚はOKのベジタリアン)」などの新しい単語も登場している。

■「ハイテク好き健康重視のグルメ」な米国人像を反映

 同辞典には毎年約100個の新語が収録されるが、これらの語は米国の現代社会を映し出す鏡ともなっている。7日に発表された新語からは、「テクノロジーに没頭するグルメで、医学に並々ならぬ関心を寄せる」米国人像が浮かび上がる。

 辞典を監修したピーター・ソコロウスキー氏(Peter Sokolowski)氏によると、この10年間で新語が多く生まれている分野は、食べ物の外来語・テクノロジー・医学だという。それぞれの背景については、「テレビではしきりに料理番組をやっているし、異国の料理に触れる機会も増えてきた。テクノロジーについては、例えばインターネットは比較的新しい現象なので、新しい単語がどんどん必要になる。医学は、米国の高齢化社会や医学の発展が影響している」と説明している。

 ちなみに、収録される新語は、「かっこ付きでもイタリック体でもなく、説明書きも付いていない」状態で印刷物に頻繁に現れ、したがって万人に理解されていると判断される語だという。

■「サブプライム」も登場

 ただし、収録されるのは「新語」ばかりではない。特別な分野でのみ使用されていたものが一般的に使用されるようになった語や、古くからあった単語に新しい意味が加味された単語なども含まれる。 

 例えば、「dirty bomb(汚い爆弾)」は、テロ事件やテロとの戦いが新聞をにぎわせていることから頻繁に使用される語だが、この語が初めて登場したのは1956年のことだ。当時は軍のアナリストや政府高官の間でのみ通用する語だった。

「subprime(サブプライム)」は昔からある言葉のように思えるが、これも今回収録された新語の1つだ。信用力の低い個人向け(サブプライム)住宅ローン問題に端を発する金融市場の混乱で、サブプライムという言葉が全米メディアを席巻し、日常生活にも浸透するようになった。

 なお、「webinar」はオンラインセミナー、「netroot」はインターネットを活動拠点にする草の根活動家、「pretext」は情報を手に入れるために他人になりすます行為を指す。(c)AFP