【6月16日 AFP】同性婚を認めるカリフォルニア(California)州最高裁の決定が16日に確定するのを受け、同州の経済は数百万ドル規模の棚ぼた景気に沸きそうだ。同州は州民以外の申請も認めるとしているため、全米から同性カップルが大挙して押し寄せることが予想されるためだ。

 米国ではすでにマサチューセッツ(Massachusetts)州が同性婚を認めているが、州民以外の申請は認めていない。

 そのため、州民以外の申請も認めるとするカリフォルニア州は全米の同性婚市場をほぼ独占することになり、これに付随する産業は急成長するだろうと専門家らは分析する。

 カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)は前週初め、今後3年間で同州に婚姻届を出す州内の同性カップルは5万1000から10万2000組、州外では6万7500組にのぼると予想。今後3年間の州への経済効果は6億8360万ドル(約740億円)に上り、結婚産業に2100人の雇用を創出するとの試算を発表している。

 ロサンゼルス郡経済開発公社のジャック・カイセル(Jack Kyser)氏は、米国経済悪化の影響を懸念する同州の観光業にとって、同性婚は歓迎すべき「特需」になるだろうと話す。さらに、同性カップルの大半は、高消費が期待されるディンクス(DINKS、子供のいない共働き夫婦)だという。

 保守層の多い同州郊外では、今回の最高裁の決定は歓迎されていない。だがロサンゼルス(Los Angeles)やサンフランシスコ(San Francisco)は以前から「ゲイ・フレンドリー」を目指してきただけに、一層熱が入りそうだ。ロサンゼルス観光局のウェブサイトには、早くも「数々の名所やアトラクション、そして寛容という遺産。ゲイ・フレンドリーなロサンゼルスはまもなく、結婚式を挙げたいゲイやレズビアンの皆様にとって申し分のない目的地になります」との宣言文が掲載されている。

 そんなロサンゼルスの「ゲイの町」、ウエストハリウッド(West Hollywood)にも、同性婚による好景気が訪れようとしている。ラマダプラザホテル(Ramada Plaza)には予約が殺到し、婚姻届の受理と結婚証明書の発行が始まる17日はほぼ満室となった。今週の他の日も全室がほぼ埋まりそうだという。

 同ホテルは、2泊、シャンパン1本付き、駐車料無料の「ハネムーン・パッケージ」(599ドル、約6万5000円)を用意しているという。(c)AFP/Tangi Quemener