【6月12日 AFP】「海が蒸発する前に、休暇の予約を急いで」――。米メリーランド(Maryland)州の人気リゾート地オーシャンシティ(Ocean City)が制作した、海が消えてしまう前に同地で休暇を過ごすように求めるCMが話題になっている。

 このCMは、作家オーソン・ウェルズ(Orson Welles)が1938年に行った、あの有名な火星襲来を告げるラジオ放送の手法をまね、オーシャンシティのリック・ミーハン(Rick Meehan)市長が出演。「地球が消えてなくなってしまう前に」休暇の予約をするように求めている。

「皆さん、こちらは地球・米国メリーランド州オーシャンシティの市長のリック・ミーハンです。最新の研究で、10億年以内に地球上の海が蒸発してしまうことが判明しました。これは、地球温暖化の影響ではなく、地球が太陽に引きつけられ、海水が沸騰して蒸発することによるものだといいます」

「とにかくそういうことなので、市民の皆さんは海が蒸発する前にオーシャンシティでの休暇を過ごすための予約を入れてください。オーシャンシティを楽しめる最後のチャンスかもしれません」

 このCMは、地元テレビやラジオ、動画共有サイトのYouTubeなどで流されており、市長が声明を発表し終わると、ビーチや魚釣り、土産物屋、海辺で遊ぶ子どもたちの映像が流されるという。

 オーシャンシティの広報担当者は、このCMは「ユーモア」を交え、景気後退や燃料価格の高騰に見舞われている米国人に休暇を取ることを勧めるものだとしている。担当者は「われわれは、環境やその重要性はもちろん理解している。でも、ここ最近は暗い、憂うつなニュースが多すぎる。人びとには楽しむことを必要だっていうことを理解してもらいたかった」と語った。(c)AFP