【5月31日 AFP】世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は30日、たばこから若者を守るため、たばこ広告の全面禁止の必要性を改めて訴えた。

 たばこの広告はすでに規制されているが、たばこ会社は洋服などのたばこ以外の商品を使ったり、コンサートやスポーツイベントを後援したりするなど、高度に洗練された広告手法を利用して規制をかいくぐってきたとWHOは指摘する。

 WHOのTobacco Free Initiative(たばこのない世界構想)のディレクター、ダクラス・ベッチャー(Douglas Bettcher)氏は「たばこ広告の全面禁止に効果があることは、すでに導入した国のたばこ消費量が最大で16%減少していることから明らかだ」と話す。ベッチャー氏によれば、たばこ会社はすでに死亡した喫煙者やたばこをやめた人に代わる消費者として発展途上国の若い女性に狙いをつけているという。

 WHOは2003年、締約国に増税、たばこ広告の全面禁止、たばこによる健康被害についての教育などの方法で喫煙と戦うよう求める「たばこ規制枠組み条約」を採択した。しかし、国レベルの包括的な法規制でたばこから守られているのは世界人口のわずか5%にすぎないという。

 WHOは5月31日を世界禁煙デー(World No Tobacco Day)と定めている。(c)AFP