【4月30日 AFP】(一部更新、写真追加)ジャイアントパンダ、リンリン(Ling Ling)が30日、都内の上野動物園(Ueno Zoo)で死亡した。

 リンリンは国内最高齢で、人間では70歳に相当する22歳7か月だった。高齢による心臓と腎臓の機能不全のため、前日の29日に一般公開が中止されたばかりだった。

 動物園では、献花台の前で手を合わせたり、花を供えたりする来園者の姿が見られた。動物園では、リンリンが暮らしていたパンダ舎を花や竹で装飾して来園者に公開することにしている。

 リンリンは日本が所有権を持つ唯一のジャイアントパンダだった。日本には他に8頭のジャイアントパンダがいるが、いずれも中国から借り受けているものだ。

 上野動物園の雌のパンダ、トントン(Tong Tong)が2000年に死亡した後、関係者は他動物園のパンダとの間に2世誕生の望みをかけたが、かなわなかった。ジャイアントパンダは繁殖力が弱く、絶滅危惧種に指定されている。

 リンリンは1985年に北京動物園(Beijing Zoo)で生まれ、1992年に中国と日本の国交回復20周年を記念して、日本で生まれたパンダと交換するかたちで上野動物園に寄贈された。中国は外交関係を強化するため、四川(Sichuan)省で育てたパンダを諸外国に贈ってきた。
 
 関係者は、5月6日から10日までの中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席の来日中に、リンリンの後を継ぐパンダについて前向きな動きがあることを期待している。(c)AFP