【4月25日 AFP】東京都は25日、生活資金に困りインターネットカフェなどで寝泊まりする「ネットカフェ難民」を支援する相談センターを開設した。

 厚生労働省が2007年に発表した実態調査によると、東京などの大都市で5400人がインターネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりしていると推計され、その多くが非正規雇用で働いている若い年代だった。

 初の支援策として、厚生労働省と東京都は合同で新宿区の繁華街に支援センター「TOKYOチャレンジネット」を開設。センターは生活資金として20万円、住宅の敷金・礼金などに40万円まで貸し付け、資金の節約方法や住居を維持する方法などをアドバイスする。また、医療や就職に関する情報提供も行う。

 東京都福祉当局によると、センターには問い合わせが殺到しており、相談窓口は3日後まで完全に埋まっているという。東京都福祉当局はAFPの取材に対し、生活が安定していない人は定職を得ることが困難だと説明し、可能な限り多くの人にチャンスを提供したいと述べた。

 厚生労働省が実施した「ネットカフェ難民」の実態調査は日本社会で衝撃を持って受け止められた。日本では長い間、国民全てが中流階級だという考えが一般的で、世界各地の都市部で見られるスラムが日本には無いことを誇らしく思ってきた。

 同様の支援センターは5月に大阪、名古屋の両市にも開設される予定。(c)AFP