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東京の文学青年、アルプスで「チーズひとすじ」

  • 2008年03月26日 08:55 発信地:Bonneval-sur-Arc/フランス
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フランス南東のBonneval-sur-Arc村でブルーチーズ作りに励む山口ミチヒサさん(2008年3月12日撮影)。(c)AFP/JEAN-PIERRE CLATOT

【3月26日 AFP】(一部更新)東京の大学で文学を学んでいた頃から、酪農をやることを夢見ていた。そんな山口ミチヒサさんは33歳の現在、フランスアルプスのふもとにある小さな村でチーズ作りにいそしんでいる。

 山口さんは、2007年10月から人口242人のBonneval-sur-Arc村に住み、地元名産のブルーチーズ「Bleu de Bonneval」の生産に独りで取り組んでいる。「ミキ」のニックネームで親しまれている山口さんは、「日本人で文学部出身」という肩書きが珍しがられることをよく承知している。「みんなは僕のことを知っています。僕はみんなのことを知らないのに」

 山口さんは、日が昇る前に起きて、日中は作業場にこもる。チーズ作りの友は、地元のラジオ番組またはJポップだ。

 大学卒業後、北海道の酪農場で働いた。だが、小さな場所にたくさんの牛を詰め込んで乳を搾れるだけ搾るというやり方が好きになれなかった。そんな時テレビを見ていて目に飛び込んできたのは、「ツール・ド・フランス」が行われているフランスアルプスの風景。サイクリストのそばに牛たちがいるあのアルプスで酪農をやろうと思い立った。

 6年前に渡仏。フランス語は10まで数えることもできなかったが、特訓のおかげで3年後にはぺらぺらになった。その後いったん日本に帰国し、ホンダの組み立て工場で2年間働いてお金を貯めたあと、フランスに戻ってチーズ作りを徹底的に学んだ。

 地元Haute-Maurienne Vanoiseの酪農協同組合は最初、山口さんを非常勤で雇用したが、その仕事ぶりは上司にも同僚にも目を見張るものがあり、常勤職員に登用された。

 チーズショップを経営するPauline Collongeさんは、「ミキはこれまでわたしが出会ったチーズ職人の中でもいちばん勤勉。作業場は非常に清潔だし、いつも整頓されている」と太鼓判を押す。「彼は、ほんの数か月で驚くべき成長を遂げた。彼が作ったチーズを見てくださいよ。きめがそろっていて青かびも程よく広がっているでしょ。わたしも彼も、チーズのために生きているの」(c)AFP/Mie Kohiyama

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