【3月19日 AFP】フィリピン保健省は19日、イエス・キリストが十字架にかけられた日を記念する「聖金曜日」に行われる毎年恒例の「はりつけ」と「むち打ち」の儀式に先立ち、感染症を予防するため破傷風の予防接種を受け、使用するくぎを消毒するよう注意を呼び掛けた。

 ローマ・カトリック教徒が多数を占める同国では、毎年聖金曜日には数十人の男性が、約15センチのくぎで自身を木製の十字架に打ち付けて磔となり、イエス・キリストの受難を再現する。

 ほかにも数百人が前年の罪を贖うための儀式として、上半身裸になって流血するまで自身の背中をむち打つが、保健省はこのむちについても、使用前に清潔かどうか確認するよう注意を促した。

 カトリック教会はこれらの儀式に難色を示しているが、フィリピンの多くの都市で観光行事として定着してきている。

 同国の英字紙マニラ・タイムズ(Manila Times)によると、パンパンガ(Pampanga)州サンフェルナンド(San Fernando)では、女性2人を含む23人が今年の聖金曜日である21日に磔の儀式を行う予定だという。

 フランシスコ・デュッケ(Francisco Duque)保健相は、今回の注意呼びかけは「伝統儀式をやめさせようとするものではないが、破傷風などの感染症予防のために重要なことだ」としている。(c)AFP