【3月18日 AFP】米民間調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)内のメディア調査部門、「Project for Excellence in JournalismPEJ、優秀なジャーナリズム・プロジェクト)」は17日、新聞の前年の読者数が増加したと発表した。情報源をインターネットに頼る人が増える中で新聞の地盤沈下が続くと予想していた専門家を当惑させる結果となった。

 PEJの報告によると、新聞はこの10年、ニュース業界の革新的かつ実験的役割を果たしていると認識されるまでに進化を続けてきたという。

 同機関が新聞、ウェブ、全国ネットのテレビ、ケーブルテレビ、ラジオのニュース7万件以上を調査した結果、新聞のイメージを改善させているものとして、記者のブログ、ニュースランキング、読者が投稿するコメントやランキング、さらに読者独自のニュースサイトなどが挙げられるという。

 前年の新聞発行部数は2.5%減少したものの、読者数は2倍以上に増加。「新聞社のウェブサイトの読者数は順調に増加しており、新聞の『総読者数』は減少ではなく、増加しているのがわかる」と報告書では述べられている。

 「時代遅れのメディア」と称される新聞は、もはや印刷されたニュースをインターネット上にそのまま載せるだけではなく、革新的な双方向サイトを作り上げている。

 実際、新聞はインターネット上で主要な役割を果たすようになっている。例えば、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のウェブサイトは、月間1470万人が訪れる、アクセス数第5位のニュースサイトとなった。扱われるテーマも幅広く、ケーブルテレビなどの「新参者」がイラク戦争や政治といった大ニュースだけを取り上げるのとは一線を画している。(c)AFP