【1月23日 AFP】ドイツ南部のミュンヘン(Munich)で毎年恒例のカーニバルの開催日が、第2次世界大戦中のナチス(Nazis)ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)犠牲者を追悼する27日の「国際ホロコースト記念日(International Holocaust Remembrance Day)」に決まったことから同国ユダヤ人団体は22日、市当局によるこの決定を激しく非難した。

 ユダヤ人中央評議会(Central Council of Jews)のSalomon Korn副議長は、「ホロコースト犠牲者に対する侮辱」だと非難。記念日には、犠牲者に追悼の意を表すべきだと訴えた。

 同評議会のDieter Graumann副議長は、市当局の決定が「軽率で無神経」だとし、ホロコースト生存者であるCharlotte Knobloch議長は、ナチスによって組織的に殺された600万人のユダヤ人の「名誉が汚された」と非難した。

 国際ホロコースト記念日は、ポーランドのアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所が解放された1945年1月27日にちなんで制定された。
 
 ドイツ各地の市や町では、カーニバルはキリスト教の復活祭前の準備期間にあたる、四旬節(Lent)に入る前に開催される。色彩豊かなさまざまな山車がミュンヘン市内をパレードする27日のカーニバルには、2万人の見物客が見込まれている。(c)AFP