【1月21日 AFP】6日間にわたり、米アリゾナ(Arizona)州スコッツデール(Scottsdale)で行われてきた世界最大のカーオークション「バレットジャクソン・オークション(Barrett Jackson Auction)」が20日に閉幕した。

 37回目を迎えた今回のオークションには、約1100台が出品され、3台が100万ドル(約1億700万円)を越える高値で落札された。

 イタリアの自動車製造企業、ピニンファリーナ(Pininfarina)から出品された1963年型のシボレー・コルベット(Chevrolet Corvette)が160万ドル(約1億7000万円)、2009年モデルのシボレー・コルベットZR-1(Chevrolet Corvette ZR-1)と、当時のハリウッドスターたちのお気に入りだった1928年型のデューセンバーグ(Duesenberg)のデュアルカウル・フェートン(Dual Cowl Phaeton)が100万ドル(約1億700万円)で落札された。

 米国の伝説的ドライバーかつエンジニアのキャロル・シェルビー(Carroll Shelby)が所有していた、1969年製のフォード・マスタングGT500(Ford Mustang GT500)は、予想落札額の約3倍に当たる67万5000ドル(約7200万円)、シェルビーの息子が所有していたGT500は、33万ドル(約3500万円)で落札された。

 また、『テルマ&ルイーズ(Thelma & Louise)』のラストシーンでグランドキャニオン(Grand Canyon)へと飛び込んだ、1966年型の「フォード・サンダーバード(Ford Thunderbird)」は予想落札額の1.5倍に当たる6万5000ドル(約690万円)で落札された。さらにその上を行ったのが、1980年代のテレビシリーズ『爆発!デューク(The Dukes of Hazzard)』でおなじみのダッジ・チャージャー(Dodge Charger)で、45万ドル(約4800万円)の値をつけた。

■米経済の低迷を反映か

 正式な数字は21日にならないとわからないが、今年は前年ほどの高額落札は出なかった。昨年は50万ドル(約5300万円)以上の値をつけたのが16台だったが、今年は11台のみだったのだ。

 開催前には、米経済の停滞が要因となり、特に米コレクターに人気の「マッスルカー」などの分野では、高値は予想されていなかったが、ロシアや中東など、海外のバイヤーが盛り上げてくれるのではないかとの期待もあった。「富豪が多いロシア人が、オークションの中心となりつつある」とHyman Ltd. Classic Carsのマーク・ハイマン(Mark Hyman)氏は語る。

 また高級車専門誌「duPont Registry」を発行するTom duPont氏は、「高級車の市場が強い。供給は限られていて、バイヤーは多い。さらに米経済が不安定なために、高級車が欧州や中東のバイヤーにとても人気が出ている。特に高性能車となると、欧州の名車が強い」と語っている。(c)AFP